2021/09/18
睡眠の質を向上させる方法とは?快眠のために大切なこと
みなさま、こんにちは!
リトラ所属の管理栄養士/ダイエット心理士(R)プロ 渡辺亜里夏です。
毎日の睡眠、しっかりとれていますか?
9月に入っても残暑が厳しくこの時期でも暑さで寝苦しいなんて人もいるのではないでしょうか。夜、しっかりと寝ているはずなのに元気が足りないと感じるときは「質の良い睡眠」がとれていないかもしれません。
また、バランスのとれた食事・運動習慣とあわせて、「睡眠」をしっかりととることは、毎日を健康に過ごす秘訣なのですが、2018年OECD(経済協力開発機構)の調査によると日本人の睡眠時間は、7時間22分で世界ワースト1位の短さでした。24時間動いている現代社会を背景に、近年はさらに睡眠時間が短くなり、6時間未満の睡眠時間の日本人が全人口の4割を占めると報告されていました。
最近では、日本人の9割の人が睡眠に悩みを抱えているともいわれているため、睡眠の質、時間ともに満足のいく状態を作っていただくことが1番の理想ではありますが、今回はまず睡眠の質を上げる事にフォーカスして、日常生活の中にとり入れられることをお伝えしていけたらと思います。
なんでわたしたちにとって睡眠が重要なの?
「睡眠」は、食事・運動と並んで、わたしたちの心身の健康を維持するために重要な要素のひとつです。
睡眠に期待できる効果としては、身体や精神の疲労を回復するというものがあります。
そのため、睡眠時間が慢性的に不足していたり、睡眠の質が悪いと健康が損なわれてしまう可能性があるんです。また、睡眠の質の悪化は、がんや心疾患、脳血管疾患といった生活習慣病のリスクにつながることもわかってきました。
そのほか睡眠に期待できる効果としては、肥満予防や太りにくくする効果、ストレスやうつ症状の緩和、美容促進・美肌効果、運動のパフォーマンスアップといったこともあげられます。
ちなみに、質の良い睡眠かどうかは、以下の5つのポイントでチェックすることができます。
・寝つきがよい
・ぐっすり眠る(途中で起きない、トイレに行ってまたすぐ寝るとかはOKです)
・寝起きすっきり
・朝起きたときに熟睡した感じがある
・午前中に眠くならない
あなたの睡眠は5つすべて当てはまっていますか?
もし、すべてにチェックが入っていれば、あなたの今の睡眠の質はとても良い状態だと思われますので、今の状態をキープしていってくださいね♪
チェックが2~4個だった方は、今日の内容を参考にしていただき、より睡眠の質を向上させていきましょう。
チェックが0~1個だった方は、睡眠の質とあわせて睡眠時間の確保も一緒に取り組んでいけるとより良い睡眠の状態を作れると思います。
ではさっそく、睡眠の質を向上させる具体的な方法をお伝えしていきましょう。
睡眠の質を向上させる 7つの方法
睡眠の質を向上させるためには、体や脳が入眠しやすい状態を就寝時間までにつくっていくことがポイントです。寝る直前まで仕事やトレーニングを行なっていると、交感神経が優位になり、寝付きにくくなるので、寝る2時間前までには切り上げられるといいですね。
いくつかの方法を紹介するので、ご自身の取り入れやすいことから気軽に始めてみましょう!
就寝3時間前には夕食を済ませる
夜寝るときには、胃や腸での消化活動が終わっていることが理想的です。
食事をした直後に寝てしまうと、体は消化活動を優先するため、休息する時間が短くなります。また、体は睡眠をとっているつもりでも内臓は活動しているため、眠りが浅くなったり疲れが抜けにくくなったりします。
もし、寝る3時間前までに食事を終わらせることが難しい人は、野菜や植物性のたんぱく質、脂質の少ないもので比較的の消化のいいものを少量食べるといった食事にできるといいですね。
温かい飲み物で体の中を温める
温かい飲み物は、内臓から体温上昇を促します。体の深部体温が下がり始めるときに自然な眠気がおきるので、睡眠前のリズムをつくるのにおすすめです。
どんな飲み物をのむといいのか?
避けたいのは、コーヒーや紅茶、緑茶、栄養ドリンクなど、覚醒作用を持つカフェインを含む飲食物です。これらは、入眠や深い睡眠の妨げとなります。就寝前3~4時間(敏感な人は5~6時間)はとらないようにできるといいですね。
白湯やホットはちみつレモン、ホットミルク、カモミールティーなどがおすすめです。
■ホットはちみつレモンのつくり方
(材料)
・はちみつ……大さじ1・1/2杯
・レモン汁……大さじ1杯
・お湯……150cc
マグカップなどにはちみつ、レモン汁を入れてそこにお湯を注ぎます。はちみつが溶けるまで混ぜたらできあがり。
ぬるめの入浴でリラックス
「睡眠モード」に切り替えるおすすめの入浴法は、眠りにつきたい時間の1~2時間程度前に、38~40℃程度の少しぬるめのお湯に、ゆったり湯船につかることです。
理由は、大きく2つあり、
① リラックスすることで 副交感神経が優位になり、眠りに入りやすくなる
② 身体の奥の体温を一時的に上げることで眠気を誘う
身体は、体内深部の温度が下がると眠気が起こるようにできています。
しかし、入眠の直前に42℃以上の熱いお風呂につかってしまうと、交感神経が優位になってしまい、眠りにつきにくくなってしまうので気をつけましょう。
リラックスできる音楽を聴く
脳波がアルファ波となる音楽は、体をリラックスした状態にして、より眠りやすい状態に導くといわれています。こういった特徴のある音楽は、YouTubeなどにもアップされているので、自分に合ったものを見つけられるといいですね。
【眠りやすい音楽の特徴】
・歌声が入っていない
・自然音
・高周波音を含む音楽
休日の生活リズムを整える
休日にしっかりと寝たはずなのに疲れが抜けていない、眠気が取れていないと感じたときは要注意です。
長時間寝れるからと休日に2度寝、3度寝を繰り返し、夜眠れなくなるというような生活をおくっていると平日の睡眠にも影響が出るようになってきます。
そのため、休日だからといって起床時間はあまり変えず、もし遅くするとしても1~2時間程度でとどめておくのが理想的です。
室温調整で心地よい空間を作る
この時期は暑くて寝つきが悪くなりがちかと思いますが、室温や湿度は季節に応じて調整できるといいですね。
ちなみに、睡眠を行う寝室の環境の室温として許容されるのは夏季で28℃以下、冬季で10℃以上となります。寝室の環境に合わせて、寝具や寝間着なども見直してみるといいかもしれません。
就寝前の喫煙は避ける
コーヒーなどに含まれるカフェインと同様、たばこに含まれるニコチンには覚醒作用があります。入眠の妨げになったり浅くなったりするため、就寝前の喫煙は控えるようにできるといいですね。
睡眠の質を向上させる食べ物って何があるの?
睡眠の質を向上させる栄養素として知られているのが、トリプトファンやグリシンといったアミノ酸やアミノ酸の一種であるGABA、ミネラルであるマグネシウムです。
そのため、1日の食事の中で肉や魚、卵や乳製品など必須アミノ酸を多く含む良質なたんぱく質を積極的に摂取し、体の中にアミノ酸をとり入れることが睡眠の質を向上させることにつながります。
では、具体的にはどんな食べ物を食べたらいいのか?栄養素別に見ていきましょう。
トリプトファン
トリプトファンは、トリプトファンは睡眠のリズムを作るセロトニンやメラトニンの合成に必須なアミノ酸です。そのため、睡眠の質を向上させるためにもっとも重要な栄養素と言っても過言ではありません。
トリプトファンは体内では合成することができないので、しっかり食事から摂取することが重要です。
【トリプトファンを多く含む食材】
乳製品・大豆製品・カツオやマグロといった魚・バナナ・ナッツ類
多くの食べ物から取ることができるので、毎日摂取することは難しくはないですが、より意識して摂取することで睡眠の質向上につながります♪
また、トリプトファンだけでなく、ビタミンB6や炭水化物を組み合わせることでより効率よくセロトニンをつくることができるので、組み合わせもぜひ意識してみてくださいね。
(画像:https://www.biteki.com/life-style/food-recipe/483653 トリプトファンって何?たんぱく質に含まれる快眠に必要な成分を専門家が解説より引用)
グリシン
グリシンは体内で合成できる非必須アミノ酸の一種で、不眠を改善する効果や抗酸化作用があります。
グリシンは、牛肉、豚肉、鶏肉など動物性タンパク質や特にゼラチン質に多く含まれるほか、ホタテやカニ、エビなどの魚介類にも含まれています。ちなみに、エビやホタテなど魚介類の甘味はこのグリシンが含まれていることによります。
GABA
昼間にGABAを摂取することで、夜の寝つきが改善という研究結果が出ており、GABAを含む機能性食品には、「睡眠の質を高める」という表記が許可されています。
食べ物では、野菜(トマトやケール、パプリカなど)や果物(メロンやブドウ、バナナなど)、乳酸菌発酵製品(漬物やヨーグルトなど)といったものに含まれているので、食材からも機能性表示食品といった加工食品からも効果的にとり入れていけるとよいのではないでしょうか。
マグネシウム
ミネラルは、体の中のさまざまな反応の触媒として働いており、生命維持活動にとても大切なはたらきをしています。
その中でもマグネシウムは、メラトニンやレニンといった睡眠に関係するホルモンの働きに関わっていると言われているため、不足しないように注意が必要です。
【マグネシウムを多く含む食材】
ひじき・昆布・わかめなどの海藻類、ナッツ類、未精製の穀物、大豆製品
まとめ
睡眠の質を向上させる方法にある音楽を聴いてぼーっとしたり、ゆっくりお風呂に入ってリラックスしたりすることには、「脳が活性化する」というメリットがあったりもします。
まだまだ自粛生活の終わりがはっきりしない今だからこそ、「おうち時間」を使って、睡眠の質を向上させながら、健康度アップに取り組んでいただけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました(^^)/
管理栄養士 渡辺亜里夏